viduのこと

初めてこの場所を訪れたのは、サイゴンに住み始めてまだ間もない頃。

 

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viduは日本人がやっているカレーが美味しくて、洋服や雑貨も売っているカフェ、呼び鈴を鳴らさないと開けてくれないという、駐妻界では有名なお店で、私にはなんとなく敷居が高かった。

 

駐妻さんたちが連日ランチタイムに集うサロンのような場所だったらどうしよう…と勝手にいろいろ妄想してしまって、でもどうしても気になって、わざわざ時間をずらして行った、夕方の5時。

 

私の思惑通り、カフェにお客さんは私一人。

階段を上がって中に入ると

古い建物を改装して作った空間は天井が高くて窓が大きく、面積以上に広く感じる。

一人過ごすには少々贅沢でぐるりと見回して、ちょっと影になった端っこの場所に座った。

 

出てきたカレーは噂通りに、安心できる日本のカレーなんだけど家庭的すぎず、スパイシーで濃厚で美味しい。

(写真じゃ見えないけど大きなチキンが二つどーんと入っている)

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カフェメニューはカレーとドリンク数種類とシフォンケーキ(たまにロールケーキ)のみ。古い空間を活かして華美な装飾はないけど、家具のチョイスや置いてある本、使われている食器の一つ一つにオーナーさんの気持ちがこもっているのが伝わってくる。

 

帰り際にお会計をしている時「そのカバンかわいいですね。こんな時間に来るなんて一人で行動する派?」と話しかけてくれた。

オーナーさんの名前はまゆさんといった。

 

そこからお店に来る毎にいろいろ話すようになり、じわりじわりと距離が縮まってきたある日。

「ここでいつか映画を流したいんだよね」とまゆさんが言った一言に私が過敏に反応して「やりましょう!私企画します!」と言ったのが去年の雨期のこと。

一緒にkino igluさんの上映会までやらせていただいた。

 

イベントの準備をしていたときは、毎日のように電話で話をして、一つの値段を決めるにも上映時間を決めるにも何回も考えては変更し、を繰り返した。

こんなに何かを決めるのに時間をかけたのは初めてだったけど、お客様を一番に考える気持ちとか、全てのことに筋を通すところとか、今までぬくぬくと日本の会社の中でイベントを企画していた自分にとって、勉強になることばかりだった。

リスクはたくさんあったのに、覚悟を決めて挑んでくれた姿勢にすごく刺激されたし、

まゆさんの力で予想よりもたくさんの人が集まってくれて、自分の中で忘れられないイベントとなったのでした。

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サイゴンで、女の人一人で、お店を開業させること、仕入れをして作ること、ベトナム語しか話せないスタッフを雇うことまで全部やるのは、簡単なことじゃない。

ブログではその戦っている様子が伝わってきて、とても面白い。

 

小柄なのにすごいパワーの持ち主、そして厳しく、とても優しい人、まゆさん。

そんな人がやっているカフェに人が集まって来ないわけがないのです。

日本に住んでいてホーチミンと関わる仕事をしている人たち(ベトナム料理やベトナム雑貨など)ともたくさん繋がりがあるのも納得。

 

 

これからもまゆさんの作るカレーと人柄で、たくさんの人がここで元気をもらうのだろう。

お店ってほんとうにおもしろい。